こんにちは、Akaneです。
最近、ドイツのホームメーカー社HORNBACHのCMがアジア人女性を差別・見下しているというニュースを目にしました。実際の動画はこちら。私はこれを見て、怒りというよりも落胆の気持ちでいっぱいになりました。
このような内容が作られた背景には、こちらの記事で詳しく解説されている通り、欧米社会におけるアジア文化・アジア人女性に対する軽視と偏見、そして差別によるものが根底にあると言われています。私は通算7年ほど海外で生活しいますが、世界中の多くの人々と関わる過程で、自分がアジア人である事を再認識する機会や、ちょっと偏見を持たれているなぁと感じることは、少なからずありました。
今回の事件を受けて、ドイツ在住のフリーランサーwasabiさん(@wasabi_nomadik)を始め、多くの海外在住アジア人・日本人女性が抗議の声を上げているのを目にしてきました。
ドイツ在住の韓国人Sung Un Gangさんはネット上で同社への抗議署名活動を行っています。
この問題がすごい根深いなぁと思うのは、「侮辱されたように感じた」というアジア人女性がたくさんいるのに「これは差別ではない。考えすぎ」って考えるドイツ人も一定数いるってこと。なんでこんなに批判的な反応を示す人が多いのかって、日常生活の中でその偏見の片鱗が見えることがあるからなのに。
— wasabi (@wasabi_nomadik) April 3, 2019
これを期に、私も海外でノマドとして生きる一人の日本人女性として、ノマド・コミュニティにおけるアジア人女性の現状、アジア人女性の海外での見られ方の傾向、そしてこれらに対する個人的な経験・意見などを、一度ブログでシェアしておきたいと思いました。
女性目線の内容にはなりますが、海外で暮らすアジア人女性にどのような事態が起こっているのか、もしくは起こりうるのかを知っていただくため、男性にも目を通してもらえれば嬉しいです!
目次
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デジタル・ノマドのコミュニティ
現在、海外ノマドとなってから1年半ほど経ちます。
移動した先ではコワーキングスペースやイベント、ミートアップなどに積極的に参加し、世界中のノマドたちとの交友関係を広げてきました。
昨晩はフォトグラファー、ビデオグラファーが集うmeetupに参加!最終的には沢山のノマドたちで賑わっていました。
こうやって自分達で企画して行動する人が沢山いるから全体的に活気があり、繋がりが作りやすく、別分野の情報も得やすい。
まだまだノマド・キャピタルの称号は譲らせないチェンマイ🎖 pic.twitter.com/d8l2sO33WX
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) January 24, 2019
そんな経験を通して見えてきたこと、それは現在のノマド・コミュニティには全体的な偏りがあるということです。
アジア人女性ノマドはマイノリティ
現状として、デジタル・ノマドのうちアジア人女性は絶対的に少数派です。
そのうち、アジアにルーツを持ちながら西洋圏で育った移民2世を除く、アジア生まれアジア育ちの女性は、極めて少ないです。
ノマドに人気の地域のうちでは、地理的な利便性からか、アジア圏で最もアジア人女性ノマドが多いように感じます。それでも、ノマドの全体人口から見れば一握りであるのが現状です。
この現状は、西洋圏に比べるとアジア全体においてノマド文化がそこまで浸透していないのと、アジア圏における女性の社会的立場や経済力によるものなど、様々な要因が背景として考えられると思います。
ノマドのほとんどは欧米出身の独身男女
では逆にノマドの大多数派は?という点に着目すると、欧米圏出身の人がほとんどです。
一番多い年齢層は20代後半〜30代中後半、男女比率はそこそこ平等で、カップルのノマドよりも独身がやや勝るかな、といった現状です。
詳しく知りたい方は、このサイトのインフォグラフィックを見てみてください!
Digital Nomad Infographic [Case Study]
これらの現状からも分かるように、世界のノマドたちが集まる場所であるコワーキングスペースやソーシャルイベントにおいて、ほとんどの場合でアジア人ノマド、そして女性となると極めて少数派になります。
ノマド・コミュニティにいて私が時々感じる事
少数派であることは何も悪いことではないですし、それを指摘してくる人なんて誰もいません。
私は世界中の人々と交流することによって、世界の様々な価値観や文化を知ることを楽しんでいますし、それが創作へのインスピレーションにも繋がっています。
なので日常、自分のアイデンティティに目を向けられて嫌な気持ちになることはありません…が、稀なケースであります。
たとえば、あるコワーキングスペース。
利用し始めて間もない内に、複数の欧米男性に性的なニュアンスを含むアプローチをされたのですが、彼らは私自身に興味があるというよりは、むしろ私が「珍しい」アジア人・日本人女性である事に対して、興味を持って近づいてきた印象でした。
第三者から見れば思い込みだよ、と思われるかもしれませんが、事実としてその出来事は私を非常に不快な気持ちにさせました。
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世界でのアジア人女性の捉えられ方
一般的に西洋社会では、アジア人女性は他の地域出身の女性に比べ、声を上げて自分の意見を主張しない、おとなしい人種と捉えられがちです。
個人的に、これは個人の気質や性格というよりも、文化的・社会的な背景と教育方針によるものが大きく影響していると思っていて、私は海外生活を初めてから、育ってきた環境がいかに人格形成に大きく影響するかを思い知りました。
加えて、日本を始め、多くのアジア諸国は男性優位の社会であり、そして個人よりも集団として教育を受けます。これらの要因から、日常のあらゆるシーンにおいて、個人の意見を主張することに対してためらいや抵抗感を感じてしまう女性は多いと思います。
ただこのような特性から、個人として自分の芯を持つことに重点を置く西洋社会で、アジア人であるというだけで意味もなく見下されたり、個人としてではなく集団として扱われたり、性的な意味合いを含めて不当な扱いを受けることがありえてしまうという現状には、憤りを感じます。
そして多くの人が指摘している通り、この事実に気がついていない・気持ちを汲み取れない当事者が多いことも大きな問題だと思います。
この現状は、時間がかかってでも変えていかなくてはいけないと思っています。
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不適切な扱いを受けたらどのように対処すべきか
もし海外で誰かと話していて、不当な扱いを受けていると思ったり、嫌悪感を感じたら、分かりやすい方法で相手にはっきりそう伝わるように態度で示すことが大事です。
(とっさに実行に移すのはなかなか難しいものですが、この心がけだけでも違いを産むはずです!)
たとえば、乗り気のしない相手に食事に誘われたら、失礼のないように断るのが一番ですが、相手がひつこく誘ってきたりなど、態度次第ではダイレクトに「興味ない」と一蹴するべきです。
もしくは、信頼できる友達に相談してみる、コワーキングスペースを変えてみる、生活拠点を変えてみる、一度日本に帰ってブレイクを挟んでみるなど、状況を転換しうる様々な方法を控えておくことは、海外ノマドを続ける上で重要です。
ノマドの利点はそのフレキシブルさにあることを忘れないでください。
自由を求めてノマドになったのに、逆になにかに縛られてしまっては本末転倒です。(不思議なことに、この現象はノマドたちの間で頻繁に起こります。詳しくは下記記事をどうぞ)
マイノリティでいることへの勇気
少数派でいることには勇気を伴いますが、海外で暮らしたいのであれば、これは捨てることのできない勇気であると思います。
そして、勇気を持ち続けることは自信に繋がっていくと、私は経験上断言できますし、誰もができることだと思っています!
私はこれからも世界で生きる一人の日本人女性として、アジア人だから、日本人だから…ということを言い訳にしたり武器にしたりせず、出会う人々すべてと対等に付き合っていくことによって、微力ながらも一部の人達のアジア人女性に対する歪んだ見方を矯正していければいいな、と思っています。
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