サワディカー、Akaneです。
1年前の同時期にチェンマイに滞在していた私ですが、今回また街に戻ってきたのにはいくつか理由があります。その第一の理由は、毎年11月頃・満月の夜の前後期間、タイ全土で行われる伝統的な祭り「ロイクラトン」へ参加するためです。様々な催しが行われるこの祭りの目玉は、「コムローイ」と呼ばれるスカイランタンの空への一斉打ち上げです!
打ち上げの写真や動画を眺めてはその超幻想的な様子に感動していた私ですが、せっかくチェンマイに滞在するならこれは絶対に体感したいな〜と思っていたんです。今回はそんな私の夢が1年越しに実現することとなりました!
コムローイ一斉上げが行われる会場へのチケットは毎年早々に売り切れてしまいますが、今回はあるご縁に恵まれ、市内に複数ある会場のうちの一つである「ドイサケット」会場のチケットを手に入れることができました。
イベント後、コムローイ上げの様子をフルで収めたビデオをYouTubeにアップしたのですが、今回はその動画のフォローアップとして、私が参加したコムローイ上げ・ドイサケット会場の様子、ロイクラトン期間中のチェンマイ中心部での様子などを旅ログとしてレポしたいと思います。
目次
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チェンマイのロイクラトン祭り「イーペン」について
3日間に渡るロイクラトンは、チェンマイのあるタイ北部では「イーペン」と呼ばれていて、タイ全土の中でも最も伝統的で綺羅びやかな行事が行われます。
期間中は旧市街を中心にカラフルなランタンのデコレーションで彩られ、夜には幻想的なランタンの光が夜の街を暖かく包み込みます。
コムローイ一斉上げは日程中の満月の夜に行われます。
その前後の夜には、花やロウソクで美しく手作りされた小さな灯籠「クラトン」を川に流す行事や、華やかな山車のパレード、タイ伝統芸楽のパフォーマンスなどが行われます。
映画「塔の上のラプンツェル」のモデルとなったランタン祭り
チェンマイのコムローイ上げは、2010年のディズニー映画「塔の上のラプンツェル」のワンシーンのモデルとなったことで世界的に有名になりました(私は見てないけど笑)。
それ以降、現物を一目見ようと世界中から毎年観光客が押し寄せるそうです。
数え切れないほどのコムローイが満月の空を星空のように漂う様は、この世のものとは思えないほどに神秘的。
コムローイ一斉上げ会場チケットは決して安いとは言えない金額ですが、毎年入手が困難なのも納得がいくほど、人生で一度は目撃しておく価値がある光景です。
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初日(11月21日)
ロイクラトン初日である21日。今回コムローイ打ち上げに付き合ってくれることになった、ノマド仲間のマヤさん(@Mayayan6) と共に、日が落ちる時間帯を狙って旧市街へと繰り出しました。
旧市街のほぼ中心に存在するワット・チェディルアンの隣に位置するワット・パンタオでは、寺を囲む木々と小さな池まわりを幻想的な飾り付けが彩り、多くの人々が少し冷えはじめた夜の光を楽しんでいました。
ロイクラトンの前夜、優しいランタンの光に包まれた旧市街を
夜散歩🚶♀️🚶♀️満月の今夜はラプンツェルのモデルになった事で有名なランタンを空に放つ行事の日。一年越しの夢の夜を見てきます pic.twitter.com/q369C8uXyj
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) November 21, 2018
そこから徒歩で10分ほど歩いた先にある三王像広場でも、たくさんのランタンのデコレーションが。
伝統的なタイの音楽が流れるなか、ロイクラトンの始まりを告げるような前夜祭的雰囲気に包まれていました。
日本語タイ観光案内サイトのロイクラトン日程によると、旧市街東部のピン川沿いではチェンマイ美男美女コンテストなんてのも開催されていたそうな。
2日目(11月22日):コムローイ一斉上げ
満月の夜である2日目は、チェンマイのロイクラトン祭りの目玉であるランタン一斉上げが行われる日です。
今回私が参加したドイサケット会場は、チェンマイ中心部から北東に20kmほど離れた先の山岳部にあります。
通常アクセスにはバイクや車が必要ですが、今回はバスの送迎付きだったので楽チン!指定されたチェンマイ市内の集合場所から、40〜50分バスにゆられて会場へ向かいました。
ドイサケット会場の様子
温泉で有名なドイサケットですが、今回会場として使われたのは温泉の横にある広い空き地。
入口ゲートの付近には食べ物の屋台、お土産屋さんなどが並び、ちょっとした飾り付けもなされていて、きちんと臨時イベント会場として整備されていました。
一番大規模なコムローイ上げが行われるのは市内北部のメージョー大学ですが、今回私たちが参加した会場は市内北西部にあるドイサケット温泉。
毎年村民の方の協力を得て実現しているそうで、ちょっとした村おこし的なイベントも兼ねているそうな。温かみのある人たちに迎えてもらい、ほっこり ☺️ pic.twitter.com/fCE6UCjlbt
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) November 23, 2018
ずらっと並べられた座席はおよそ2,500席。それぞれの席にはコムローイと川に流すクラトンが事前に配布されていました。
座席前方には舞台が設置され、タイ北部伝統芸楽のパフォーマンスなどが行われていました。コムローイ打ち上げだけではない、エンターテイメントショーとして包括的に楽しめる内容になっているのは嬉しい配慮。
座席は舞台側からVIP席〜Cクラス席に分かれ、チケットには座席番号が割り振られています。座席の入口付近には番号の案内板が掲示されているので、特に迷うことなく座席を見つけられました。
川でクラトン流し
屋台のタイ料理でお腹を満たしたあと、まず座席に配られていたクラトンを片手に会場奥に流れる川へと向かいました。
私が到着したころにはすでに多くの人がクラトンを川に流し始めていました。優しいロウソクの明かりで微かに照らされたクラトンがゆっくりと川面に流れていく光景は、それはそれは神秘的でした…
伝統的には、自身の髪の毛1本と爪の一片をクラトンにのせ、過去の穢れを削ぎ、川の神様へ祈りを捧げる儀式とされています。
私も自分のクラトンに明かりを灯し、川へと流しました。
コムローイ一斉上げの様子
舞台にていくつかのパフォーマンスが披露され、すっかり日が暮れた午後7時をすぎた頃、コムローイ一斉上げに向けての準備がアナウンスされ始めました。(英語と日本語で行われていました)
今回が2回目のコムローイ上げ参加となるマヤさんに色々教えてもらいながらのコムローイ準備〜打ち上げの様子は、カットなしのフル動画にてどうぞ!
コムローイが一斉に空に放たれるのは02:41からです。
この一連の興奮と感動は、文章でも写真でもなく、やはり動画で見てもらうのが一番伝わると思います!(伝われー)
帰りの送迎バスは改善の余地あり
空を舞うコムローイの光景に思い思いに浸ったあと、しばらくはそのまま待機。送迎バスが会場に到着次第、VIP席の客から順にチェンマイ中心部へと戻ります。
しかしVIP席の団体客の搬送に手間取っていたようで、最後のCクラスだった私達の順番がなかなか回ってこず、かなり長い間待機することになりました。
その後も先が混乱した流れのまま、送迎バスまでの道案内がまともにされず、どこに行けば良いか分からない客があぶれ、結局ランダムにやってくる送迎バスに乗れる人から乗り込むという事態=押したり走ったりの混乱っぷりになってました(危ない…)
翌年、一番の改善点として期待したい点ですね。
裏話:後掃除について
先日主催者とお話したところ、川に流した灯籠は全て先の地点で回収、コムローイのワイヤーは落ちてくるそうなのでそれも回収しているそうです。
清掃に目処がつくまで3日くらいかかるそうで、全てスタッフと村民の方たちの手で行っているそう。
感動の裏にある労力と自然への配慮に感謝🙏コップンカ
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) November 29, 2018
古代においては、コムローイとクラトンは全て自然の素材で作られていたようですが、残念ながら現代では、安価で大量生産が可能なワイヤーやプラスチックが部分的に使われて作られているものがほとんどです。
ロイクラトン期間中、コムローイとクラトンは街中のいたるところで販売されていますが、購入をする際は、これらの人工素材が使われているものの購入は出来るだけ避けて、自然な素材のみで作られたものを探して購入するようにすれば、自然への影響を懸念せずに楽むことができると思います。
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最終日(11月23日):ピン川周辺のパレード
最終日には、チェンマイ旧市街のメインゲート的存在であるターペー門から東のピン川沿いにかけ、大々的なパレードが行われていました。
ロイクラトン最終日は川沿いで盛大なお祭りがやっていて、超人ごみのなか私は写真撮りに野次馬しました🌝🌚
タイ伝統楽器の演奏からエレクトロリカルパレード並みの東南アジアらしい(?)ド派手な演出まで多種多様。
空も大地も光に溢れて、幻想的としか言いようのないお祭りでした。 pic.twitter.com/zE5WcRzaPO
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) November 23, 2018
子供たちによるタイ伝統音楽の演奏をバックに、まるで古代ランナー時代にタイムスリップしたかのような感覚すらほのかに覚えるなか、東のピン川沿いの空を見上げてみると、そこには止むことなく打ち上げられ続けるコムローイが…
ピン川はクラトンの光で満ち、そして空にはコムローイの光。
こんな幻想的な光景は、一生のうちでなかなか体感できないです。古代と現在が共存した街:チェンマイの持つ魅力を一気に凝縮したかのような、特別な一夜を味わえます!
パレードを見に行く際の注意事項
パレード中、路上は文字通り人で埋め尽くされます。なかなか前に進めないほど混雑して息苦しくなる場所もあったので、できる限り身軽な格好で行くと良いです。
特に、ターペー門から東のピン川にかかる橋までと、そこからパレードのルート終着地点であるチェンマイ県庁前までは特に混雑します。
軽快に動き回りたい場合は、これらの主道路を避けて、小道から回り込むなどすると効率的にパレードを見て回れますよ。
また、盗難には十分に気をつけてください!
まとめ・一生に一度は体験するべし
待ち侘びてたコムローイ上げ、聞いていた通りの鳥肌ものでした。これは自分の目で目撃するべき👁
幻想的な光景に包まれるなか、環境に与えうるインパクトを考えると至福感と罪悪感が交差して、それもまた特別な経験…
久々に動画編集したい✨ pic.twitter.com/FDQbOcD2vm
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) November 22, 2018
正直、想像以上のお祭りでした。これを体験しに来ただけでも、チェンマイに帰ってきた価値はあったと言い切れます(もちろんその他にもたくさんチェンマイの恩恵を授かっていますが)!
年々観光化が進み、ゴミや空気汚染などの環境問題とは常に隣り合わせのようですが、主催者側(全ての、であることを願います)は環境への配慮を常に念頭に置き、可能な限り自然へのダメージを抑える努力をされていらっしゃいます。
お金や時間では図りきれないほどの感動と価値の裏側に存在する、大勢の関係者の方々の配慮と仕事に対しての感謝を忘れずに、参加側も祭り中のゴミは自分で持ち帰るなどの配慮とマナーをわきまえて楽しむことが、自然と共存しながら伝統を存続させるための大きな鍵なのではないかなーと思いました。
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