こんにちは、Akaneです。
最近、ブログ経由のお問い合わせやTwitterの流れなどを見ていると、「ノマドになりたい!旅x仕事生活を実現させたい!」という方が非常に多く、たくさんの方が憧れを抱いている働き方なんだなーと感じています。
しかし(水をさすようですが…)、この一見華やかに見えるライフスタイルは大きな闇の部分=リスクをもはらんでいます。ノマド生活にハマればハマるほどこの闇に落ちてしまう危険性があり、それは人生の幸せの度合いに大きく影響しかねることなのです。実際、この闇を経験してノマドを辞め、定住生活に戻る人も多くいます。
そして私が海外移動生活を続けながらも、一拠点では数ヶ月以上滞在するゆっくりした旅「Slow Travel」を実践しているのも、この闇を回避するためという理由に一部直結します。
ノマドになりたいけど、自分にできるかわからない、向いているかわからないと悩んでいる方は、この闇の部分も理解しておくと、ノマドが本当に目指したいライフスタイルなのかどうかの判断材料になるかもしれません!
今回は私自身の経験と、他のノマドの方々の言葉をまじえてノマド生活のリアルを紹介しながら、私がSlow Travelをする理由をお話したいと思います。
目次
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旅☓仕事というライフスタイルの現実
※本記事での「ノマド」は、主に一拠点を持たず仕事をしながら常に移動し続けるライフスタイル=「デジタル・ノマド」の事をさしています。一定の生活拠点があるリモートワーカー、ノマドワーカーはこのケースに100%は当てはまらないです。
憧れだったはずのノマド生活がもたらす副作用に耐えられなくなり、結局ノマドを辞めてしまう。燃え尽き症候群とも呼べるこの現象、ノマド達の間ではDigital Nomad Burnoutと呼ばれています。
なぜそんなことが起こると思いますか?
それはノマド生活中避けることのできない問題に起因しているんです。
移動⇒仕事・観光⇒旅程確保⇒移動の繰り返し
好きなところへ旅して好きな場所で仕事する… 一定の環境に縛られることなく生計を立てられるノマド生活。聞こえは華やかなように思えますが、実際のところはかなり慌ただしいです。
新しい場所へ移動したら、土地の環境や文化を肌で吸収している間もなく仕事をこなし、観光に走り回り、ネット発信して、空き時間には次の目的地のリサーチをし、交通手段と滞在先を確保して…
基本はこれの繰り返しです。最初は楽しくても、一定期間以上続けていると心身ともに消耗していきます。
簡単になったとはいえ、航空券とかホテルの予約は優柔不断な私には時間がかかるし、出費が激しいのでストレスがかかる系タスク。なので元気なときにまとめてやっちゃうのが吉。
— Maya | 旅暮らしデザイナー (@Mayayan6) November 10, 2018
飛行機の長時間トランジットでの疲れ、言葉の壁、ローカルの食事が合わなかったり、滞在先でよく眠れなかったりすることもあります。
たとえば、私がベトナムで体験したハプニングの顛末はこちら。
また仕事が忙しくなりすぎると、移動生活にかかせない健康を維持するための運動や、他人との交流も疎かになりがち。
そして金銭面の不安もこれらのネガティブな側面を助長する一環となり、よっぽどタフでないかぎり、心身ともに一定の健康レベルを常に保つことはなかなか厳しいです。
流動的な生活のなかで一定の生産性を保つ難しさ
定住生活と同じように、収入がありきのノマド生活。
常に仕事を効率よくこなして、空いた時間を思い切り楽しんでこそノマド生活の醍醐味を味わえるというものですが、移動した先が仕事に集中できる環境であるとは限らないです。
コワーキングスペースやカフェの場所は事前にネットで調べられますが、現地での移動時間、WiFi環境など、実際行かないと分からないことは多いです。そして仕事に集中できる環境であるかどうかは、人によってそれぞれ違うものだと思います。
海外ノマドしてて感じるデメリット
☑︎移動面倒くさい
☑︎Wi-Fi環境で仕事のペースが左右される
☑︎まわりがめっちゃ遊んでる中で仕事
☑︎一人が寂しい時ある個人的には海がめっちゃ綺麗な秘境はWi-Fiがなかったり停電あったりするから長期間滞在できないの辛い
— YUKO@チェンマイ🇹🇭 (@surfgirl38yuko) November 13, 2018
また、東南アジアからヨーロッパなど、大陸をまたいで移動する場合は時差ボケにも要注意です!
特にクライエントや上司とリアルタイムの連携や定期的なビデオ通話が必要な方は、時差の事をしっかり調べておくことと、タイムゾーンが変わる場合は相手にそのことを伝えておのも信頼を保つ上でとても大事です。
海外旅しながら働くなら、時間の決まった予定が入る仕事はリスキー。僕も精一杯気を付けてるんですが、それでも5回に1回は時差の計算間違えて、打ち合わせすっぽかします😖
よっぽど自己管理に自信がない限り、クライアントワークはおすすめしないです。やっぱブログやらSNSやら情報発信業がベター。
— テツヤマモト🇹🇭海外ノマド (@okapo192) November 16, 2018
先述した健康面と同じく、この常に変化する状況下で生産性を一定以上のレベルに保つのは、現実的にはなかなか難しいものです。
全ては自己管理能力にかかっているといっても過言ではありません!
人との交流が流動的な中で孤独に陥りやすい
ノマド生活中、自分の周囲にいる人々は目くるめく変わります。
デジタル・ノマドが集まりやすい都市(チェンマイ、バリなど)に行けば、コワーキングイベント、ミートアップイベントなどが頻繁に行われているため、日常的に世界中のノマドと知り合えるチャンスがあります。新たなコネクションやビジネスチャンスを求める人には、まさに楽園のような環境です。
昨夜のノマドパーティは大盛況💃
バレンシアのノマドグループの活動は活発で、毎週2〜3個のイベントが立てられてます。1回だけでなく数回通うことが強い繋がりを作る秘訣
パーティ好きではないけど、こうやってネットワーキングするのは営業面だけでなく、ノマドの孤独感を払拭する上で重宝します👯 pic.twitter.com/lLOk5Wt1wq
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) August 25, 2018
しかしそれと引き換えのように、人生の大半をともにしてきた家族や、自分の事をよく知っている長い付き合いのある友達、また定住中のパートナーがいる場合、彼らとは長期間会うことができません。
多くの人と出会える反面、大切な人たちとの繋がりが薄れていく
デジタル・ノマドのフェイスブックグループで一時話題になった、ノマド生活がもたらす人生の消耗についての記事の一文を紹介します。
New friends are poor substitutes for longstanding relationships.
「新しい友人は親密な友人の粗末な代替えだ」
Quote from: I went full nomad and it (almost) broke me
いささかストレートに訳してみましたが、これは核心を突いている一文だと思います。
親密な関係や信頼関係は、それ相当の時間を共に過ごしてきた上に築かれるもので、ショートカットはありません。
たとえ気の合うノマド仲間と出会えたとしても、そこはお互いノマド。最終的には違った拠点へと移動するため、お別れのときがやってきます。それは二度と再開することのないお別れであるかもしれません。(もちろん、そうならないケースもたくさんあります)
そしてまた新しい人がやってきては去っていく…という、人の出入りが激しい環境。
ノマド生活中は、人が絆を深められるほどの長い時間を物理的に確保することができないのです。広く浅い繋がりは増えても、狭く深い関係は築きにくい。
そうしている間にも、自分にとって大切な人たちと過ごすことができない期間はどんどん伸びていき、ノマドの仕事内容は個人で行うものがほとんど。この環境が徐々に孤独感を蝕んでいきます。
日常生活の些細なことが、実は自分にとっての幸せの大きな要因だった、ということに気づくこともあるかもしれません。
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早く・長く移動すればするほど擦り切れやすい
これらのマイナス症状は比較的速いペースで移動すればするほど現れやすいです。
誰かに言われたわけでもなく、自分がやりたかったから始めたノマド生活のはずが、常に何かに追われているような切迫感へと変化していき、最終的に消耗してしまう。
悲しいかな、そんな本末転倒の状況に陥ってしまう人が実際多いのです。
たとえば私のある親友。彼女は一ヶ月に一度のペースで国を超えて移動していましたが、いっとき仕事のトラブルや住居問題などが重なり、本人は見るからに疲れ切っていて常に不機嫌でした。それにも関わらず、数週間後の次の拠点の準備をしないといけない…と大忙しでした。
(後の本人もあの生活はcrazyだったと語っていました)
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時間をかけてマイペースに生きる事が持続の鍵
私の意見として、これらDigital Nomad Burnoutを未然に防ぐ鍵は、ノマド中でもマイペースに、ゆっくりと生活すること。
そして一拠点で最低1〜2ヶ月ほど滞在して現地の文化を味わいながら、人との繋がりを育み、仕事に投資する時間を作ることです。
スケジュールはキチキチに立てずにいくらか余裕をみて、定期的な運動、交流会への参加、週末のアウトドアをはさみながら時にはリフレッシュし、何もしない時間を必ず作る。
元市内を囲んでいた川から作られたトゥリア公園。家からすぐなので頻繁に行くのだけど、障害物のない絶好のジョギングコースがあります!🏃♀️
日が暮れて暗くなるあたりが涼しくてベストタイム。
新しい習慣の継続には適切な環境に身を置く事が大事、ということを思い知っておるこの頃です pic.twitter.com/rQaXQ382Rm
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) August 31, 2018
ノマドの大半を占めるフリーランスやアントレプレナーは私生活と仕事が混同しがちですが、そこに定住しないライフスタイルが加わると、想定外のハプニングも考えられるため、仕事、健康、私生活全てにおいてのコントロールが取りづらくなります。
だからこそオン・オフをきちんと分け、ノマド先でも日常をルーティーン付けることが大事だと私は感じています。
また、一定期間滞在することで滞在先の文化を深く味わえるのは、短期間の観光と「現地で住む」ことができるノマドとの大きな違いです。せっかく長く滞在するなら、現地の文化を肌で吸収したいですよね。
街を歩いてると結構視線が飛んでくるのだけど、笑顔で返せば笑顔で返してくれる。
子供は英語教育をしっかり受けてるみたいで、練習をしたいのか向こうからhello!と話しかけてきてくれたりする。
この国をもっと知りたいなぁ pic.twitter.com/JCzZxK7tts
— Akane (茜) 🌍 (@hive_aka_en) April 13, 2018
そして可能であれば、定期的にホームに帰り、親密な人たちとの時間を過ごしてリチャージすることは良策です。私含め、知り合いのノマドはほとんどがこうしています。
まとめ
ノマドのように、輝かしい部分ばかりが取り沙汰されて闇の部分にスポットが当たらないのは、あらゆるトレンドにおいて見受けられますが、そのまま見て見ぬ振りをしているのでは、本末転倒になってしまいかねません。
大切なのは、自分に適した環境を選んで、持続可能な生活を送ること。物事のバランスをうまく取り続けながら、心身の状態を適切にコントロールすること。
突き詰めて言えば、仕事も人生も無理のないように生きること、だと思います。
そうすれば、ノマド生活がもたらしうるメリットを十分に受容することができるはず。
ノマドはテクノロジーが生んだ、人生を豊かにする素晴らしいライフスタイル。せっかくだからいいところだけを賢く選び取り、幸せなノマドになりましょう!
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