こんにちは、Akaneです。
長期の海外留学や移住は、人生の節目ともなりえる重大イベントです。この記事を読んでくださっているあなたも、まさに今計画中であるかもしれませんね。そして多くの方は、現地のリサーチに膨大な時間を費やしたのち、大きな期待と不安を抱えて海を渡るものだと思います。
しかし(釘を差すようですが…)、新天地に期待を膨らませすぎると、その分大きな失望を味わう可能性があります。しかし、それを承知の上で、むしろ受け入れる覚悟で飛び立って欲しいのです。なぜなら、このギャップが自分の成長に大きく貢献するからです!
今回は私が長年の海外生活から実感した、海外で生活する=コンフォートゾーンを抜ける とは、具体的にどういうプロセスであるのか、そして、その先にある成長とは何か?についてシェアしたいと思います。
少し個人的な回想録を含みますが、現状にモヤモヤを感じていたり、海外生活へ向けて一歩踏み出せないでいる方のインスピレーションになれば嬉しいです 🙂
目次
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私の憧れだったロンドン
さて、私の初めての海外長期滞在は、イギリスのロンドンでした。
海外滞在を決意した当時の私にとって、渡航先はどの国でも良かったわけではなく、絶対ロンドンに行きたかったのです。
私は10代後半から20代にかけて、海外発のパンクやロック(とりわけオルタナティブ・ロックと分類される、メインストリームから一歩逸れた真新しいジャンル)に昏倒していました。
当時(2000年代初頭)は音楽史上ロックンロール・リバイバルと呼ばれていた時期で、コンピューターを使用しない60年代バンドのような生っぽい音を鳴らすバンドが、アメリカ・イギリスから同時期に頭角を現していました。
その内でも、私のお気に入りのバンドがロンドン出身だったのです。
当時のメディアから現地の情報を収集
当時SNSはまだまだ普及しておらず、海外からの情報が日本語で手に入るのは、月イチ発行の音楽雑誌と、そのブログくらいでした。
…しかし、そこには常に翻訳期間というタイムラグが存在していました。
もっとリアルタイムでの情報を現地メディアから手に入れたかった私は、現地の最新情報をインターネットを使ってチェックするようになりました。
ネットを隔てて感じたイースト・ロンドンの空気
このようにして英語を独学し始めた私は、長い英文記事を時間をかけながら丁寧に解読していました。
また、お気に入りバンドのプロモーション映像からは、当時のロンドン、特にヒップなイースト・ロンドンを拠点とする若者たちのエナジーや現場の空気が、じわじわと伝わってきました。
イースト・ロンドンは、ロンドン中心部に見られる伝統的で荘厳とした美しい町並みとは対象的な、ユースカルチャーで溢れたトレンディなエリアです。
若手アーティスト達が切磋琢磨し合い、日夜面白げなイベントやパーティが開かれている…そんな光景は、当時日本にいた自分の環境とは全く違ったものでした。
当時20歳前の多感な年代だった私は自然と憧れを抱き、面白そう!自分も現場で体感したい!と、自然と思うようになっていったのです。
大好きなアーティストたちの活動拠点だったロンドン
バンドの他にも、私が好きなデザイナーなどのアーティストはロンドン(もしくはイギリス)出身者が多く、現地のクリエイターが産み出す作品に、私は強く惹かれていました。
遠く離れなていながらも、自分と同じ臭いを(勝手に)嗅ぎとっていたのです。
また、英語をみっちり勉強するなら、アメリカ英語よりも本場のイギリス英語ベースで勉強したいと思っていました。
ロンドンへワーホリaka英語&デザイン留学を決意!
そんなロンドンへの思いが強くなる中で知ったのが、ワーキングホリデーという制度。
年齢が許せば誰でも申請でき、最大で2年(殆どの国では1年ですが、イギリスは2年まで)滞在できるという夢のようなビザです。滞在中は学校に通うも、仕事するも、旅行するも自由!
願ってもないような方法を知った私は、憧れを実現化するために早速動き出しました。(当時は、これが人生の最大のターニングポイントになるとは思いもしていませんでした…)
そして1年間のリサーチ、貯金、英語学習、ビザの取得という準備期間を経て、遂にロンドン生活をスタートさせたのです。
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待望のロンドン生活スタート、そして衝撃
こうしてロンドンにやってきたのは、ある年の10月半ばの冬初めの時期。
最初の数週間は、様々な感動と興奮であふれていました。まず最初のホームステイ先に滞在しながら観光を楽しみ、最初の語学学校が始まってからは友達も自然と増えていき、新生活を心から謳歌していました。
しかし、時間が経つにつれ、様々な物事を日本と比較してしまうようになり、次第に多くの不満が噴出し始めました。
理想と現実のギャップ
時として、広告やメディアが伝える現地の情報と、実際に自分の肌で感じる現地の感覚の間には、大きなギャップが生じるものです。
このギャップの幅の程度は、観光目的での短期滞在か留学目的での長期滞在かなど、目的にとっても大きく差が開きます。
私にとって、日常生活から大きな障害となったのは、やはり英語、特にリスニングとスピーキングでした。
日本である程度準備したつもりでしたが、ロンドンに住む殆どの人は英語を第二言語とする人であり、現場では様々な英語のアクセントが飛び交っています。
日常生活中で相手の言っていることが正確に聞き取れない、自分の言っていることが正確に伝わらないという事がどれほどもどかしいか、そしてどう対処すればよいのか、これらの問題について、日本にいた時から具体的に想像することは不可能でした。
そこまでの常識とそこからの常識
一旦住み慣れた日本から外に出ると、それまでの常識という観念はほぼ崩壊します。
- 家には基本バスタブがなく、毎日シャワーで済ませる
- お店では店内に客がいるにもかかわらず、店員同士が大声でお喋りしている
- 学校では授業中も皆バナナを食べたり、授業に平気で遅れてきたりでリラックスムード
という日常の些細な事から、(特にロンドンでは悪名高い)バスや電車においては、
- 乗車客が大勢いるにもかかわらず、走行中にいきなり運行停止になる
- あってないような時刻表
- バス停で1時間以上も待った挙句、同じルートを走行する同じ番号のバスが2~3台連続で来る(酷い時には、全部自分が乗るものではない番号)
とかいう、時には呆れを通り越して怒り(笑い?)を覚えるような状況にも頻繁に直面します!
そして、不満や不正を訴えようにも、言葉が上手く伝わらず、結局訴えたいことを訴えきれないまま終わりという、なんともすっきりしない惨めな終わり方を迎えてしまう…いうことが多々ありました。
一貫性でなく多様性
クイーンズイングリッシュ発祥の地ロンドンですが、実際のそこは人種のるつぼです。街を歩けば、英語以外の言語も頻繁に耳に入ってきます。
そして日常生活におけるあらゆるシーン、お店、学校、仕事、特にフラットシェアなど、それまでまったく知識のなかった国出身の人と話す機会ができたりもします。
様々なバックグラウンドの人と生活を共にしたり、会話を重ねることで、生活習慣や価値観などの多様さに気ずかされました。また、日本の文化やマナーに大きな興味を抱かれたり、逆に不思議に思われる事も多いです。
そして英語を第二言語とする者同士では、コミュニケーションがスムーズにいかない時もしょっちゅうあります。
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それでも全ては回っている
ロンドンは、世界中の文化と思想がごった混ぜになったような場所で、考えればカオスにもなりうる状況です。
なのに、実に不思議な事に、モノゴトは全てごく普通に成立しているのです。
言い替えてみれば、何事もなんとかするしかない状況=道を切り開いていくしかない状況で、皆が常に切磋琢磨しあいながら、都市が形成されているにも見えました。
そうやって色々な価値観、思想の間でもまれ、あるいは非常識さの中でもがいていくうちに、自分で気が付かないうちに、馴染みのなかったモノゴトも自分なりに受け入れて、処理できる、今までにはなかった自分の新しい部分が形成されていきました。
そして、これを成長と言うのだと思います。
コンフォートゾーンを抜けた先の成長
先にも述べたように、新天地に向けて大きな期待を抱えて行くと、その分だけ失望する可能性も十分にあります。
しかし、この振り幅が大きければ大きいほど、渡航前と渡航後の自分の間に成長を見いだせる可能性も大きくなることは確かだと思います。
そして、これらを振り払うのではなく、ありとあらゆる方法を試しながら、徐々に自分の許容範囲内に収めていくことが、海外にいて心地良くなれるヒントだと、私は思っています。
きっとサーフィンのようなもので、最初のうちは波にもてあそばれてばかりだけど、くじけること無く、何度も波に立ち向かっていけば、次第に波を乗りこなすコツがつかめてくるのだと思います。
自分に馴染みのないものを相手にする場面に直面すると、人は誰でも不快に感じるものです。しかし、海外に出るということは、自分のそれまでのコンフォートゾーン(居心地の良い範囲)の外に行くという事と同意義である、と私は思います。
そしてその先にこそ、マジックが起こるもの!
全てのモノゴトには陰陽があるように、憎しみは愛情の裏返しというように、私の大の憧れだったロンドンでの生活は溢れんばかりの最高の思い出と最悪の思い出で彩られています。
今では、それまでの自分を最も大きく揺さぶり動かし、成長させてくれた場所の一つとして、機会があればいつでも戻りたいと思える数少ない場所の一つです。
自分にとってのそんな場所を、ぜひ海外で見つけてみてください!
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