こんにちは、Akaneです。
タイの新しい5年有効のビザ、DTV(Destination Thailand Visa)別名デジタルノマド・ビザは、2024年の7月に突然発表されてから、タイ好きなノマドの間で大きな話題になっています。
このビザは、タイに数ヶ月だけではなくもっと長く滞在したい!タイをノマド生活の拠点にしたい!と考えていた人にとって、まさしく長く待ち望んでいたとも言えるビザです。
個人的にも実に良いタイミングでビザの発表があり、早速申請に必要な書類を揃え、同年11月に大阪のタイ領事館で申請したところ、わずか2日でビザが発行されました!他の国の大使館で申請すると数日から数週間かかると聞いていたので、これは驚きの速さです。
※私が申請した当時、まだ日本からは利用できませんでしたが、2025年1月よりタイ公式のe-Visaシステムが日本にも導入され、以降オンラインでのみ申請が可能になっています
またこのDTVビザは、他のタイ長期ビザや、他国のデジタルノマド・ビザと比較して、申請条件や費用などにおいて実にハードルが低く、申請準備から取得まで比較的短期間で行えるのも大きなポイントです。
今回は、タイDTVの概要、申請条件や必要書類、そしてフリーランスのリモートワーカーとしてビザの申請・取得に成功した私のケースを紹介します。
目次
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タイDTV(Destination Thailand Visa)概要
タイのDTVは、デジタル・ノマド、リモートワーカー、そしてタイ料理やムエタイなどのタイ文化振興活動に従事する外国人とその配偶者、子供を対象とした長期滞在ビザです。
詳細は下記の通り。
- 有効期間:5年間
- 入国可能回数:無制限(マルチプルエントリー)
- 滞在可能期間:1回の入国につき最大180日
- ビザ申請費用:52,000円(日本から申請の場合)、もしくは10,000バーツ相当の金額(申請国によって異なる)
- 申請場所:タイ国外から、タイ公式e-Visaシステムを通じてオンライン申請
DTV所持者は海外との企業によるリモートワークのみを許可され、タイ現地企業に雇用されることは禁止されています。
滞在期間は1回の入国につき180日間+延長可能
DTV所持者は1回の入国につき180日間の滞在許可を与えられますが、滞在中に移民局にて更に180日の延長滞在申請ができます。
延長申請時には、最初の申請時と同様の貯蓄証明(最新のもの)、タイにおける滞在先を証明する書類など、他のタイ長期滞在ビザの延長時と同類の書類が必要となります。延長申請費用は1,900バーツ。
※現状、DTVはまだ比較的新しいビザであるため、延長に必要な申請書類と条件は移民局によってやや異なっているようで、明確な情報がありません。
この延長期間180日が終了した後は、一度出国して滞在日数をリセットする必要があります。そのため、DTVビザ保持者は1回の入国で最大360日間タイから出国することなく滞在し続けることが可能なのです。
タイDTVの申請条件
- 年齢制限:20歳以上
- 国籍:タイ政府が定めた申請可能な国籍リストにあること(日本国籍は申請可能)
- 貯蓄要件:申請時点で最低50万バーツ相当(約220万円)
- 就労・活動証明:企業との雇用契約書、フリーランス作品集(ポートフォリオ)、またはタイの文化振興関連活動への参加証明など
ほとんどのデジタル・ノマドにとって、年齢と国籍の条件は自動的に満たしますが、貯蓄要件と就労・活動証明については、審査基準を明確に理解した上で書類を準備する必要があります。以下、詳細を解説します。
貯蓄の証明について
貯蓄は個人の貯蓄口座、または預金口座にある必要がありますが、通貨はタイバーツである必要はなく、貯蓄通貨をタイバーツに換算した金額が50万バーツを満たしていれば大丈夫です。また、複数の口座預金の合算でもOK。
50万バーツは現在の日本円レートで220万程度ですが、東京のタイ大使館における必要条件欄には250万円相当、と記述がありますので、日本で申請する場合は少し余分に見て250万を満たしていれば安心かと思います。
また、タイ外務省からの公式なアナウンスにはありませんが、一部の国の大使館では基準を満たす貯蓄額を最低3ヶ月、もしくは6ヶ月キープしていることを証明する書類を求められるようです(銀行取引明細書で事足ります)。
現時点においては、日本のタイ大使館(東京、大阪、福岡)におけるDTV申請書類には明確に記述されていませんが、日本以外の国から申請する場合、もしくは念のために数ヶ月前から準備をしておくと良いかもしれません。
就労・活動証明について
この書類の内容は、次に説明する申請カテゴリーによって異なります。
会社に属している人は在職証明書、会社経営者であれば会社登記簿謄本、フリーランスであれば業務委託契約書やポートフォリオ(作品集)、タイで文化振興活動を行う場合は機関からの受け入れレターなど、申請カテゴリーに順じた事実性を証明できる書類が必要になります。
今回フリーランスとして申請した私が提出、そして受理された書類の内容については、後に紹介します!
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タイDTVの申請カテゴリー
DTVビザには、3つの申請カテゴリーがあります。
- ワーケーション (リモートワーカー、デジタル・ノマド、フリーランサー等)
- タイの文化振興関連(ムエタイ、タイ料理、医療治療、スポーツ関連活動等)
- DTVビザ保持者の配偶者、および子供(20歳未満)
デジタル・ノマドの場合(1)のワーケーションでの申請となりますが、もしタイでノマドワークをする傍らムエタイ・ジムにも通いたい場合、ビザ用の受け入れレターを発行できるジムのプログラムを通じて、(2)のカテゴリーで申請することもできます。
また(3)の場合、就労の証明は免除され、貯蓄の証明はDTVビザ保持者名義のものを使用できます。
フリーランスのリモートワーカーとして私が提出した書類
今回、私がDTV申請に向けて準備、提出した書類の一覧はこちらです。
- 顔写真付き申し込み書類一式
(現在のe-Visaシステムでは全てオンライン入力、画像・書類のアップロードが可能) - 大阪発チェンマイ行き片道航空券
(申請日から3週間先のもの) - 1ヶ月分のAirbnb予約確認書
(東京タイ大使館の記述では、「15日以上のタイにおける滞在予約が確認できるもの」となっています) - 日本円で250万円以上の貯蓄を証明する、英語の口座残高証明書
(私は2つの口座の合算で、念の為に過去6ヶ月分の取引明細書も提出。日本の一部の銀行は英語の証明書を発行するのにやや時間を要するので注意) - 確定申告書のコピー、納税証明書(どちらも前年度のみ)
- フリーランスとしてのリモートワーク業務契約書(私は2企業分提出)
- ポートフォリオ(作品集)
おそらく一番混乱しがちだけど重要なのが、最後の2つの書類です。DTV保持者が経済的に自立していて、ローカル資源に負担をかけることなくタイに長期滞在し続ける能力がある、という社会的証明が必要になるのです。
これらは基本、英語の書類を提出する必要がありますが、もし日本語のものしかなければ、翻訳家に依頼して法的に有効な翻訳書類を作成するか、ChatGPTなどのAIツールで英訳した文章を添えるなどできます。
フリーランスとしての業務契約書
クライアントとの業務契約書は、業務内容、契約期間、報酬の詳細などが明確に記されていて、かつタイに滞在予定期間にも契約があることが分かるものが理想です。
これは単発案件が多いフリーランスだと頭が痛いところですが、その契約書しかない場合はそれで試してみるのも手だと思います!やっぱり継続的にお仕事できるクライアントがいると、何かと助かるものです。
ポートフォリオ(作品集)
ポートフォリオ(作品集)は、職種によっては制作が難しいかもしれませんが、フリーランスとしての仕事内容と品質を証明する上で重要です(デザイナーの私は成果物がすでに証明できるものだったので、ラッキーだったかもしれません)
自分のウェブサイトやBehanceなどのポートフォリオウェブサイトの中から、最新のものや規模の大きな案件の詳細ページを印刷し、補足として作業時期や報酬額、クライアントについてなども記載しました。
またこれらの信憑性を高めるために、クラウドソーシングのプロフィールのスクリーンショット(過去のクライアントからのレビュー、評価付き)と、報酬の明細も合わせて提出しました。
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申請先のタイ大使館による違いについて
少し触れましたが、現在、DTVビザは申請する大使館によって求められる書類の内容、審査基準や審査期間が若干異なっています。
※私は当時たまたま国内にいたので日本で申請しましたが、日本国籍者だからといって必ずしも日本国内で申請する必要はありません。オンライン申請時に、申請国として指定した国にその時点でいることが証明できる書類(ホテルの予約確認書や航空券など)が必要になります。
たとえばヨーロッパ、イギリス、アメリカなどの先進国の大使館では、就労・貯蓄証明における審査がかなり厳しい様子である反面、ベトナムなど近郊の東南アジア諸国における大使館のチェックは、かなりリラックスしているようです。
また確定申告書、納税証明書を提出書類に含めているのは日本の東京タイ大使館だけで、大阪と福岡領事館の書類リストの中には記載されていません。
そのため、必ず事前に申請する大使館のウェブサイトにて、DTVビザに必要な書類の詳細を確認し、その内容に沿って準備を進めるようにしてください。そして、可能な限りタイ入国予定日までに余裕を持って準備し、申請するタイミングを見計らうことも大切です。
また、基本は「念には念を」の精神で、申請内容の裏付けとして使える書類は全て準備して提出することが好ましいです。
まとめ
これまでに、様々な国においてビザ免除の恩恵を受けながら中長期滞在してきたデジタル・ノマドにとって、これらの申請条件と書類の準備は、やや荷が重いと感じるかもしれません。
しかし、度重なる移動生活に疲れたり、どこかに拠点を持ちたいと考えているノマドにとって、言わずと知れたノマド天国のタイに長期間この条件で滞在できる事実を考えると、目を向ける価値は絶対にあると思います!
私もこのDTVビザの恩恵を受けて、長年のノマド生活を通じて実現させたいと考えていたことの1つを実行に移すことができ、ほっとしています。
この記事が、これから申請予定の方のお役に立てれば嬉しいです!
各国の大使館における違いや傾向、申請者からの実際の成功事例など、タイ政府公式サイトからは得られない「現場からの情報」については、FacebookやWhatsappなどの専用グループをチェックしてみてください。
- Destination Thailand Visa (DTV) – Facebookグループ
- タイ公式e-Visa ウェブサイト
- 東京タイ大使館:DTVビザ
- 大阪・福岡タイ領事館(同じ内容):DTVビザ
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