疎外感と創作性の因果関係:パースの音楽シーンとコミュ感の裏側

フリマントル・アーツセンターでのコイ・チャイルドのライブ

こんにちは、Akaneです。

私はオンラインラジオを良く聞くのですが、中でもお気に入りは西オーストラリアの州都パースのコミュニティラジオRTR FMです。

パースのアーティストシーンは密度の高い地域コミュニティから成っていて、RTRは総括的に彼らをバックアップしています。今や大物、テーム・インパラ(Tame Impala)のホームタウンとしても音楽通の間では有名ですね。

 

サーフィンがシドニーでコーヒーがメルボルンなら、音楽はパースと言っても過言ではありません!

このパースのアーティストシーンの濃さについてはあまり知られていない事実だと思うので、今回ざっくりとご紹介したいと思います。加えて、私がパース滞在中に感じた疎外感と密接する地域のコミュニティ感・アーティストの創作性の因果関係についても、個人的に考察してみようと思います。

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テーム・インパラとパースの音楽シーン

RTR主催のイベントにて、フェイトのショウ

地理的に他の都市から世界で最も離れている、いささか孤立した都市であるパース。実は数多くの才能あふれるアーティストが活動の拠点としています。

 

その代表格であるテーム・インパラは正確にはパースの港町フリマントル(Fremantle、通称Freo)出身で、今や世界中の音楽フェスでプレイする超有名バンドに成長しました。

60年代サイケデリック・ロックをキャッチーなリフと共に現代昇華したような中毒性のある音が特徴です。

 

何を隠そう私がパース移住に興味を持った理由の一つはこのバンドの出身地だったから(単純)!

 

パースのバンドはこのテーム・インパラのメンバーを中心にフリマントルのレコードレーベル、スピニング・トップ・ミュージック(Spinning Top Music)を介して皆が繋がっているようで、テームのメンバーもあちこち違うバンドでプレイしてます。

元ベーシスト・ニックのバンド、ポンド(Pond)を筆頭に、現行メンバーではキーボード・ジェイのガム(GUM)、ベース・ギターのキャムのザ・グラウル(The Growl)など(彼は現在アメリカでソロ活動中)。

 

それぞれが演奏から歌まで色々とこなすので、いかにテームがプロディジー(奇才)の集合体のようなバンドであるかがわかります。

 

このテーム・ファミリーの一員、私は友達の友達がこのバンドにいて知った、今勢いのあるコイ・チャイルド(Koi Child)は、ヒップホップとジャズの融合という斬新な組み合わせが最高にクール!

 

天才的ギタリスト、ジョン・バトラー(John Butler)もフリマントル出身。フリマントルの空気を反映した明るいレゲエサウンドは週末に聞きたい。

 

女性アーティストも沢山活躍しています。アビー・メイ(Abbe May)フェリシティ・グルーム(Felicity Groom)を筆頭とした中、シューゲイズなギターノイズのみで勝負するフェイト(Feit)は一躍抜きん出た存在です(上の写真のバンド)。

 

私のお気に入りはメイさんことメイ・サラスワティ(Mei Saraswati)。パーカッションなど民族楽器を沢山用いたビートと彼女の神聖な声がここちの良い旋律を産み出します。

 

他にも色々挙げ始めたらキリがないのですが、パース・バンドのほとんどにみられる一貫した特徴として、サイケデリックでドリーミー系サウンドが多めであることがいえます。

私の意見としては、これらの傾向はパースの地球上の地理的な位置が影響していると思うのです(考察は下記)。

パースのコミュニティラジオRTR FM

RTR FMのウェブサイトから、オンラインラジオが聞けます

これら群雄割拠状態ともいえるのパース産バンドの登竜門(aka親分的)存在が、RTR FMなのです。ラジオプログラムからイベントまですべてがボランティアによって運営されていて、オンラインストリーミングは、サイト右上の「Listen」ボタンから可能です。

 

常にローカルアーティストを全力サポートしていて、お昼のプログラムOut to LunchかFull Frequencyで音楽だけでなく、カルチャー全般で今ローカルシーンに何が起こっているのかをチェックできます!

 

その他のプログラムはジャンルに富んでいて、特に一つのジャンルに絞ったプログラムはかなりコアな選曲です(水曜夜にアンビエント、金曜夜にエレクトロビーツ、日曜朝にクラシック(!)、締めは日曜夕方にレゲエ)。

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パースの適度な疎外感 = コミュ感

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Akane (茜)さん(@beeawanderluster)がシェアした投稿 –

どこでも都市部から地域へ足を向けるとその地域特有の人々の結びつき=コミュニティがありますが、このパースの地理的な疎外感は地域コミュニティの密度を強めていると思います。それはアーティスト達のコミュニティにおいても同じ。

 

ミュージシャンだけでなくペインターやスカルプチャーなど様々なモノづくりを楽しむアーティストが多く存在し、特にフリマントルはそんなアーティスト達の庭的存在です。

小さなサバーブ内にギャラリー、アートセンター、カフェ、ライブヴェニューなどアーティスト達が自己表現しコミュニティを起こせる場所が豊富にあるのです。まさに人も歩けば知り合いに当たる、そんな状態なんですね。

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疎外感と密接した音楽・アート

私が初めてパースを訪れた時、テーム・インパラのサイケでドリーミーな音世界をそのまま具現化したような場所だなぁと感じました。

オーストラリアの他の都市に較べて人口密度が低く街の中心部も小さく、そこから少し歩けばただっ広い土地が続いています。

 

街を横断して流れる美しいスワン川沿いに海側へと下っていくと、その先に広がるのは太平洋でも大西洋でもないインド洋。

 

コテスロー・ビーチから、壮大なインド洋を望む

 

言葉で説明できるようなものではない感覚的なものなんですが、他との繋がりを絶たれたような心地がするというとしっくりくるでしょうか?インド洋が持つものは大陸東海岸から望む太平洋とは特別と違ったものがあります。

 

この不思議な孤立感が地元の人々の結束感を強め、それが創作のインスピレーションへと直接結び付いているような印象を私は受けました。外からのノイズがあまり届かない分、独特の色を帯びたクリエイティブシーンが展開されているのです。

 

実際にフリマントルを訪れてみると、その空気感がなんとなくわかっていただけるような気がします。

そんな私もこの独特の疎外感とアートな空気に心地よさを感じていた、自他共に認めるフリマントル好きです!

小さく密に展開するコミュニティ

オーストラリアでは土地から得るインスピレーションやパワーが大きいなと感じたものですが、パースには特に当てはまります。

パースは他のオーストラリアの都市と較べて娯楽がない、という話を良く耳にしますが、そんなことはありません。娯楽の数で言えば少ないかもしれませんが、その反面で密度は濃ゆいものとなっています。

 

自分で何かにおいてローカルで活動したければ、他の都市と較べて小さい地域コミュニティに深く根ざしていけるチャンスは十分にあると思います。私も1人現地でアーティストの友達が出来てから、一気にローカルのコミュニティシーンを見ることができました。

 

パースで生活したことがある方、私のパースの持つ疎外感についての考察やコミュニティの見方についてどう思いますか?よければご意見を聞かせてください!

 


 

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